2013年に職員による利用者への虐待死亡事件が起こった千葉県袖ヶ浦福祉センター。事件を受けて外部の第三者検証委員会や見直し進捗管理委員会などが設置され、センターの見直しが進められてきましたが、千葉県は抜本的な見直しを行うことなく8月31日、ついに2022年度末のセンター廃止の方針を発表しました。


今日は県議団の加藤英雄県議、三輪由美県議、浅野ふみ子党県副委員長らとともに袖ヶ浦福祉センターを訪問し、相馬伸男理事長らからお話を伺いました。


事件のあと、「大規模ケアからきめ細かな支援を可能とする少人数ケアに転換するため定員規模を縮小する」という第三者検証委員会の答申を受け、県は利用者の地域移行を進めてきました。


しかし3年間で定員規模を半減するという目標を掲げたものの、特に強度行動障害者を含む成人施設である更生園では当初の90人からほとんど移行は進みませんでした。もともと民間ではなかなか受け入れられず、最後にたどり着いたのがこのセンターだったという方が多くいたからです。


一方で、利用者への支援の質については外部の委員会から「現状を容認することは利用者の人権侵害にあたる」と指摘されるほど厳しい評価が続いてきました。これは何よりもセンター全体をどう少人数ケアに転換するのか、施設面も含めた県立施設としての将来像を示してこなかった県に最大の責任があります。


結局事件が起こってから7年がたってもセンターの状況は大きく変わらず、将来像も示されず、県立施設の廃止という結論に達しました。これで本当によいのでしょうか。


この9月1日時点でも更生園には52名が入所しています。県は様々な支援制度も含めて民間での受け入れ環境を整備し、利用者の意思を尊重しながら移行を進めるといいますが、期限を切って移行を進めることは結局無理な追い出しにつながります。


8月に廃止の方針を伝えたセンターの保護者説明会でも「新しい施設へ移行した後、さらに細かなバックアップ、ケアを受けられるのか不安」「利用者は移行先の候補がないから、この施設に残っているのではないか。保護者は存続を願って県に対して意見を出しているのではないか」などの意見が出されています。これらの声に応える保障があるとは思えません。今日も「今年度中に(52名の入所者のうち)8割くらいの方の見通しはつくのではないか」という説明がありましたが、具体的に聞くと根拠はなく「めどはつけなければならないと思う」というだけでした。


2016年に入所者19人が刺殺される痛ましい事件が起こった神奈川県の「津久井やまゆり園」では、総定員数を確保しながら小規模施設に分散して建て替えを進めています。大切なことは利用者自身に選択肢があること、選択権が保障されていることです。県立施設としての役割を投げ捨てようとする千葉県の姿勢はやはり問題です。


この問題は結論が出たとするわけにはいきません。引き続き県議団と力をあわせて取り組んでいきます。


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