第5回千葉市病院事業のあり方検討委員会が開かれました。


昨年末から行われてきた検討委員会も今回が最後となりました。今後の市立病院のあり方について検討委員会としての答申案が示され議論が行われました。


前回の検討委員会で示された答申原案では、海浜病院を新病院に建て替えるとともに「2030年を見据え、新病院に救急医療体制を集約するとともに、青葉病院は、新病院や周辺医療機関との連携・分担を進める中で、適切な機能・規模を選択すべきである」という方向が示されていました。


前回の議論を受けて最終的な答申案がどうなるか注目しましたが、字句上の修正や文章の入れ替えなどはあったものの大幅な変更はなし。すんなりと決まってしまうかと思ったら様々な意見が出されました。


最大の問題は今後の救急医療体制の整備についてです。新病院に救急医療を集約し強化を図るとしていましたが、市民からニーズがありながら現在市立病院で対応していない心・脳疾患の外科的治療については「(市立病院として対応することは)救急医療体制を強化するに当たっては、必要である」と言いながら、「現在、両市立病院では対応していないものの、民間医療機関が高い市内シェアを有しており、概ね需要に対応できている」と書かれています。


ある委員から「結局、市立病院として心・脳疾患の外科的治療をやるのかやらないのか、矛盾した書き方になっている」と意見が出され、別の委員からも「民間病院もいっぱいで余裕がなく、現在でも需要に対応できているとは言えないのでは」「心・脳疾患への対応をしないで救急体制の強化といっても中身がない」などの指摘がありました。


答申案では「既に対応している他の医療機関との役割分担や連携で対応できないかなどの視点でも検討することが重要である」とも書かれており、結局充実させる気がないのではとも読み取れます。あいまいな表現になっていることは問題です。


また「千葉県内においても医師が偏在している状況で、医師の確保には今後も制約が見込まれる」と医師の偏在を理由に今後の医療人材の確保が見込めないというような文言も盛り込まれましたが、海浜病院の寺井院長が発言していたように「人口当たりの医師数も病院の数も全国平均や千葉県平均を上回っているにも関わらず、救急搬送時間は平均よりも長くかかっている」のが千葉医療圏の最大の問題です。


現実には大学病院や専門病院など全県対応の病院が多く、市民が日常的にかかることのできる総合病院は少ないのが実態です。そして全県では医師数も病床数も全国最下位クラスです。千葉市立病院として救急医療体制の強化や診療科目の充実が不可欠であることは言うまでもありません。


それにしてもこれだけ委員から様々な意見が出され、とても意見集約が図られたとは言えないのにこれで答申を決定してよいのでしょうか。意見を踏まえて修正したのち最後は委員長に一任ということになりましたがこれだけでも問題があると言わなければなりません。


ましてや市民からはもっといろいろな意見が出されるはずです。「市立病院の統合・機能集約」という答申の方向を既定路線とせず、幅広い市民から意見を聞いたうえで慎重に検討することが必要です。両病院の充実を求める署名の運動を広げ、市民が求める安心の医療を実現するために引き続き力を尽くしたいと思います。