千葉県議会決算審査特別委員会4日目。今日は環境生活部、健康福祉部、人事委員会事務局の審査です。



○環境生活部
環境生活部では千葉市臨海部をはじめ県内の大気汚染状況と河川・湖沼などの放射性物質濃度について、千葉交響楽団と性犯罪・性暴力被害者支援事業について質問しました。


昨年度の県内の大気汚染状況は、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質については全測定局で環境基準を達成したものの、PM2.5については一部で未達成、光化学オキシダントは全測定局で未達成という結果でした。同時に数字に表れない問題としても、この間千葉市内の降下ばいじんによる被害が住民から寄せられています。臨海部の工場に野積みされた鉱石や石炭、コークス、スラグなどが原因ではないかと声があがっていますが具体的な対策は進んでいません。


大気汚染防止法では大気汚染の測定・把握や事業者への指導を行うのは千葉市ということになっていますが、県は千葉市とともに臨海部の7つの工場と環境保全協定を結んでいます。当然責任を負わないといけません。


ところが環境保全協定のなかには工場ごとの具体的な排出量、排出濃度、監視状況等について定めた細目協定があり、これに基づく年間計画書も各企業が提出することになっていますが一切公開されていません。「企業の営業活動に関わるため」というのが理由ですが、県民の命と健康に関わるデータは当然公開すべきです。


また県は毎年公共用水域における水質・底質の放射性物質濃度についてモニタリング調査を行っていますが、水質からは検出されていないものの底質からは高い濃度が検出されています。最も高いのは手賀沼流域の大堀川河口東で、この3年間を見ても4960ベクレル、3750ベクレル、3520ベクレルと下げ止まりのような状況です。


県は「水による遮蔽効果があるため生活圏への影響はない」と言いますが、半減期が2年のセシウム134が消えた一方で半減期30年のセシウム137によって、長期に渡る影響が懸念されています。手賀沼では国の指示によって銀ブナ、コイ、ウナギがいまだに出荷制限となっています。我孫子市の環境審議会でも議論に上っており、除染などの措置を含めて検討することが必要です。


6月の代表質問でも取り上げた千葉交響楽団について、県は「自立型経営への転換」などとして関与縮小の方針を掲げてきました。この間楽団の営業努力によって、会費収入は452万円から613万円、定期演奏会収入は245万円から608万円、依頼演奏会収入は3057万円から3549万円と増え(いずれも2013年から2017年)、経営も大きく改善しています。一方で県による補助額は10年前の8500万円から7200万円へと減らされました。最も大きな影響を受けたのは楽団員の処遇です。


楽団の努力に応えて支援を強めるべきではないかと聞くと、「演奏回数を増やすなど側面援助をしていきたい」という答弁。ところが実際には県自身が演奏する機会を減らしています。子どもたちに良質の音楽を届ける貴重な機会ともなっている学校音楽鑑賞教室で、県立高校の公演数はかつては2桁を超えていたのに昨年度はわずか2校。開催にかかる県の補助が3分の2に留まり、各学校が29万円(32名編成)から57万円(50名編成)もの負担をしなければならないからです。せめて補助率を引き上げ、すべての高校で開けるようにすべきだと求めても冷たい答えしか返ってきません。これでは文化の振興といっても知れたものです。


昨年10月からワンストップ支援センターへの県としての支援が始まった性犯罪・性暴力被害者支援事業については、性暴力被害支援センター・ちさとと千葉犯罪被害者支援センター(CVS)の2つのセンターあわせて半年間で670件の相談を受けています。ちさとに380万円、CVSに232万円の運営費補助が入ったことで、ちさとに関してはほとんどボランティアだった支援員の待遇についても時給1300円ほどは出せるようになったということです。


相談件数の内訳を見ると夜間も相談を受け付けているちさとが556件、平日日中だけのCVSが114件とやはり夜間の相談のニーズが高いことがうかがえます。性犯罪被害者への初期の措置を行う緊急医療支援(4件)を行ったのもちさとだけです。


現状はちさとでも夜9時以降の緊急対応は転送電話によるものです。24時間の常駐体制をつくるためにはさらに支援の拡充が欠かせません。年間6000件を超える相談を受け付けている東京都(SARC東京)などのセンターに学んで、支援員の養成とあわせて補助を増やしていく必要があります。



○健康福祉部
健康福祉部では特別養護老人ホームの整備計画、看護師確保対策、重度心身障害者医療費助成制度、生活保護行政について質問しました。


特別養護老人ホームに入れず入所待ちをしている特養待機者は県内で11000人を超えています。昨年度まで3年間の第6期高齢者保健福祉計画では、5963床の特養整備を図ることになっていましたが実際に整備できたのは3895床に留まり、目標との乖離は2000床以上にもなっています。介護人材の確保をはじめ計画通りに進めるためにさらに力を尽くすことが必要です。


同時に今回問題にしたのはそもそもの目標の立て方です。県は「入所待機者数や居宅サービスや高齢者向け住宅の整備状況を踏まえて、市町村が実情に応じてサービスの見込み量を推計している」と言いますが、「待機者数の動向がどう踏まえられているのか具体的な根拠を示してほしい」と聞いても答えられません。


それもそのはずで、サービスの見込み量のもとになっているのは国が示す「自然体推計の計算式」というものですが、この計算式には待機者数は考慮されていません。2016年から2017年の特養の利用率(利用者数/要介護認定者数)の伸びが毎年続くものとして仮定し、2025年までの利用者数を割り出しています。しかし利用率というのはいま利用している人の割合ですから、利用できていない人=待機者数は入っておらず、実態が正しく反映されません。


県は「結果として自然体推計と同じ数になっていることもある」と苦しい言い訳をしましたが、私たちが聞いた範囲でも多くの市が国の計算式をそのまま当てはめて利用見込み量を出しています。これではいつまでたっても待機者は解消しません。真剣に待機者解消を図るのであれば県の責任で市町村の目標を点検し、正しい目標の達成に責任を果たすべきです。


看護師確保に重要な役割を果たしている保健師等修学資金は、昨年度の貸付人数が588人とこの4年間で2倍になりました。しかし修学資金の財源には2014年度から地域医療介護総合確保基金が充てられており、全額一般財源として出していた時に比べて県の負担は3分の1になっています。4年前に比べても貸付人数は2倍になっているのに県の負担額は3分の2程度に減っているのです。


それならせめて他県並みに貸与月額を引き上げるべきです。千葉県は公立16000円、その他18000円ですが、東京都や愛知県、京都府などに比べると半額です。神奈川県で行っているような低所得者向けの特例貸付(月額4万円に増額、初回加算金10万円)もありません。浮いた分のお金を使えば十分に実現可能です。


2015年7月から現物給付化された重度心身障害者医療費助成制度については、この3年間、決算額が予算額を1.7億円、4.5億円、4.6億円と下回っています。一方で現物給付化に伴って導入された一部負担金(入院1日、外来1回300円)の総額についてはこの3年間、1.6億円、3.4億円、3.1億円となっています。つまり一部負担金を徴収しなくても予算の範囲で十分収まっていたということになります。


なぜ重度障害者に重い負担となっている一部負担金を負わせるのかという質問に対して、県は「利便性の向上や制度維持のため応分の負担を求めている」などと答えましたが、一部負担金がないと制度が維持できないという状況ではまったくありません。そもそも300円という金額についても、子ども医療費と同額にしているだけで何の根拠もないのです。


この間県自身の調査によっても、一部負担金が月額6000円を超えている方が1100人以上もいることが明らかになり、なかには年間128000円にも上る方がいるといいます。根拠も必要性もない一部負担金は速やかに廃止すべきです。


最後に取り上げたのは生活保護行政について。県内各市町村にはひとり親家庭などへの福祉的給付金として、養育支援手当、交通遺児手当など様々な手当制度を設けているところがありますが、生活保護世帯については併給の是非、併給した場合に収入認定するかどうかは市町村によって対応が分かれています。


「しんぶん赤旗」でも取り上げられましたが、流山市ではひとり親家庭について第2子以降に月4000円を支給する児童育成手当がありますが、これまでは収入認定され生活保護費から同額を差し引かれていました。しかし東京都には都が支給する同名の児童育成手当(1人13500円/月)があり、こちらは収入認定されずに全額控除、つまり保護費から引かれることなくそのまま受け取れることになっています。


この問題を流山市議会で日本共産党の徳増きよ子市議が取り上げ、生活保護実施要領に「社会生活を営むうえで特に社会的障害のある者の福祉を図るため、地方公共団体又はその長が条例等に基づき定期的に支給する金銭のうち1人につき月額8000円以内の額は収入として認定しないこと」という定めがあることを確認し、市が謝罪したうえで是正が図られることになりました。この過程では流山市から県に対して照会があり、県が実施要領に基づいて収入認定から外すべきという回答をしたことが契機になりました。


生活保護費が削減され続けているもとでこうした手当は貴重なものです。他市にも類似の手当を持つところがあるため、流山市の事例や実施要領の内容を周知するよう求めました。



決算審査特別委員会は一週間間隔があいて、次回は11月5日。病院局、総合企画部、労働委員会事務局の審査が行われます。