先週に引き続き千葉県議会決算審査特別委員会3日目です。今日は農林水産部、企業土地管理局、防災危機管理部の審査が行われました。



○農林水産部
千葉県の総農家数は62636戸(2015年農林業センサス)と5年間で11000戸も減少しています。年間2200戸も農家数が減少する状況に県も「大変な状況になっている」と認めますが、一方で千葉県の新規就農者数は毎年400人程度です。農林水産業振興計画で掲げている450人の目標にも届かないなかで、「新たな担い手の確保は重要。何とかあと50人を増やしたい」と答えました。


新規就農者の確保に大事な役割を果たしているのが青年就農給付金(次世代人材投資事業)です。45歳以下で新規就農を行う人に準備型で2年間、経営開始型では5年間に渡って年間最大150万円を給付します。この間毎年利用者数が増え、昨年度は342人と5年前の4倍近くになりました。


県の目標は500人でしたが、この目標を達成してさらに利用者数を増やしていく必要があります。ところが今年度からの新たな農林水産業振興計画では目標が450名に引き下げられていました。新規就農者を50人増やしたいと言っておきながら、給付金の目標を50人減らすのでは話になりません。


県は「まだ目標との差があった」などと言いますが、他県や県内市町村では対象を45歳以上に拡大したり家賃補助をしたりと、独自の補助を行っているところもあります。利用者数を増やすためにこうした工夫を行うことこそ必要です。


昨年度いっぱいで国の減反(生産調整)と10アールあたり7500円の直接支払い交付金(所得補償)が終了するなかで、稲作農家への支援をどう強めるのかも課題です。昨年度に千葉県で生産された主食用米の数量は約29万トン、国が示した生産目標(約24万トン)に対して5万トン上回りました。しかし今年度から県の農業再生協議会で示された「生産目安」は約26万トン。国はこの間、減反目標を達成できなかった千葉県に対するペナルティとして実際の需要よりもさらに低い目標を示してきたのです。


実際の千葉県の米の需要量は約28万トン(17年6月~18年7月)、昨年度生産された29万トンをわずかに下回る程度です。これ以上生産量を減らす必要はありません。国の目標を5万トン上回って生産しても県産コシヒカリの米価は14000円/俵と回復してきています。


多くの補助金がつけられたこともあり飼料用米への転換は進んできました。いま必要なのは主食用米をつくっている特に小規模の稲作農家に対して、所得補償の復活や「不足払い制度」(生産費と販売価格との差額を補てんする制度)の創設などによって支援を強めることです。農業県千葉県の姿勢が問われています。



○企業土地管理局
今年度限りで旧企業庁から引き継いだ造成土地の管理事業をいったん清算し、来年度からは水道局と統合する企業土地管理局(統合後の名称は企業局を予定)。この間行ってきた千葉ニュータウンや幕張新都心などの土地造成事業をどう総括するのかが問われています。


1969年から事業が始まった千葉ニュータウンは、度重なる事業計画の変更によって当初の2900haから1930haへと縮小し、計画人口も34万人から14万3千人となりました。費やしてきた費用は昨年度末までで6624億円に上りますが、土地分譲などの収入は5479億円にとどまり、差し引きで1145億円の大赤字です。現在の人口は99000人と縮小した計画にも44000人足りない状況になっています。


残っている未処分の土地は36ha。これで計画達成の見通しはあるのかと聞くと「何とも言えないが、昨年、一昨年に分譲した土地のなかにも12haくらいこれから住宅が建つところがあるのでまだ増えるとは思う」といいます。しかしその12haと残りの36haが仮にすべて住宅になったとしても、計画に足りない44000人を満たそうと思えば1ヘクタールあたり900人もの人口(90000人/㎢)ということになり、考えられないような人口密度になってしまいます(人口密度が最大の豊島区でも22949人/㎢)。どうしたって目標達成の見込みはなく、過大な見積もりに基づく計画の破たんです。


同じく幕張新都心も4000億円の事業費を費やしてきましたが昨年度末時点で520億円の赤字。こちらも黒字の見通しはありません。当初の計画よりも範囲を拡大し、就業人口を10万人から15万人としましたが現在でも7万人。「もっと多くの高層ビルが建つ予定だったが経済情勢が変わってしまい、計画通りにいかなかった」と言いますが、なぜそんな甘い見通しで過大な計画に突き進んだのか。今後に教訓を生かすためにも真剣な総括が必要です。


それでもなおイオンモール幕張新都心の目の前に計画されている京葉線新駅建設のために21億円を出すことを決めるなど、その他にも問題点を指摘しました。



○防災危機管理部
災害から県民を守るうえで大きな役割を果たす消防職員の配置や福祉避難所の設置について聞きました。消防ポンプ車、はしご車、救急車など消防車両・施設については国から基準数が示されていますが、千葉県はずっと基準を満たしていません。ポンプ車(95.8%)、救急車(91.8%)については3年前よりも比率が下がっています。


さらに消防職員については基準を満たしていない車両数に対しても、本来必要な人員の8割程度しか満たしていません。市町村消防本部ごとに見ると基準の7割未満になっているところもあり、そのなかでもさらに職員数が減っているところもあります。


車両などの購入に充てられる補助金(地域防災施設強化事業補助金)がありますが全体の6分の1しか補助されません。さらに職員の配置については完全に市町村まかせで県としては何の役割も果たしていません。こうした状態はこの間ずっと続いており、県として何らかの手立てを取るべきです。


お年寄りや障害者など要配慮者の避難に重要な役割を果たす福祉避難所の設置については今年9月1日時点で全県で999ヶ所となり、基準とされている小学校数に比較すると124%と多くの市町村で設置が進んでいます。しかし市町村別に見ると設置率が50%を下回っている自治体もあり、なかには15%というところもあります。


福祉避難所には高齢者施設、障害者施設などが指定をされますが、施設側の人員配置やスペースの問題もあり、ここにも県としての支援が求められています。こちらも地域防災力向上総合支援補助金という仕組みがあり、福祉避難所の設置に向けたトイレの改修、手すりの設置、要配慮者向けの備蓄品の整備などに活用できますが、昨年度決算では1500万円ほど使い残しています。市町村ごとの実情をつかみ必要な支援を強めること、要配慮者10人に1人の割合が望ましいとされている生活相談員の配置を進めることも要望しました。


決算審査特別委員会は明後日26日にも環境生活部、健康福祉部、人事委員会事務局の審査が行われます。