千葉県議会決算審査特別委員会2日目。昨年度決算について、今日は総務部と商工労働部の審査が行われました。


○総務部
総務部では知事部局職員の労働時間の実態と職員数について、私立高校への助成と負担軽減について質問しました。


昨年度、知事部局で時間外勤務が月45時間を超えた職員は736人、この5年間で最多になっています。さらにそのうち月80時間を超える時間外労働を行った職員は74人と県庁内で異常な長時間労働が常態化しています。これでは体調を崩す職員が続出するのは当然です。昨年度、1ヶ月以上の療養休暇取得者と休職者を合わせた数は186人、やはり5年間で最多です。特に3ヶ月以上の長期療養となっている職員が5年前の69人から109人と40人も増えてしまいました。


こうした長時間労働が起こる要因や、どう労働時間の削減を進めていくのかを聞いても、「一時的に作業が集中したり、突発的な業務に対応する場合などで時間外勤務が増えている」「ノー残業デーなどの意識啓発や、業務の再配分によって労働時間の削減を図る」と何年も変わらない答弁を繰り返しています。それで解決するのならとっくに効果が上がっているはずです。


長時間労働が蔓延する原因ははっきりしています。職員労働組合が7月から8月にかけて行ったアンケート(700人以上が回答)では、「業務量に対して人員が少なく、班員みんなが忙しい状況。人員を増やしてほしい」「班員全員が時間外をしており、根本的に人員が不足している」「数年来にわたる人員削減により一人あたりの業務量が年々増加し、特に年度初めから6月ごろまでは1ヶ月の時間外限度である45時間を軽々と突破してしまう。最も強く要望したいことは人員の大幅増である」と圧倒的に人員が不足しているという声が寄せられています。


県は「定員適正化計画」によって職員数を減らし続け、この10年間でみても知事部局の職員は9067人から8754人へと313人減っています。しかも非正規職員が300人増えた一方で正規職員は600人も減っているのです。正規・常勤職員を増やしてほしいという現場の声に反して、嘱託などの非正規職員で穴埋めをしてきた格好です。人口比で全国ワースト2位というところまで職員を減らしてきた責任を自覚するなら正規職員を抜本的に増やすべきです。


私立高校の負担軽減に関しては、首都圏の1都3県のなかでも遅れている実態について改善を求めました。授業料減免についていえば、世帯年収が760万円まで減免の東京都は3割、590万円まで減免の神奈川県は2割、609万円まで減免の埼玉県は34%の生徒が授業料無料になっています。千葉県は授業料無料になるのは世帯年収350万円未満まで、全体の12%程度でしかありません(世帯年収640万円まで授業料の3分の2減免)。


2014年の就学支援金の所得制限導入と低所得世帯への支援拡充で千葉県の負担は1.3億円減りました。他県はこの分を超えて制度を拡充しましたが、千葉県は制度拡充せず県の負担を減らしただけでした。2020年からは国が就学支援金の拡充で世帯年収590万円まで無償にする方向が検討されています。それを見越し先行して無償化の対象を拡充した神奈川県のように千葉県も制度を拡充すべきです。さらに重い負担になっている平均24.5万円の施設整備費の減免も、年収250万円未満世帯までなら11億円でできます。一歩踏み出す時ではないでしょうか。



○商工労働部
商工労働部では雇用問題を大きなテーマに、かずさアカデミアパークや立地企業補助金について質問し、労働相談センターの体制拡充と若者への労働法の周知啓発を求めました。昨年、幕張メッセで開かれた武器見本市についてもあらためて県の姿勢をただしました。


7月に発表された昨年度の就業構造基本調査の結果では、千葉県の役員を除く雇用者数は約281万人と5年前から87000人増えています。しかしその内訳を見ると正規職員が45000人増えた一方で非正規職員も42000人増え、非正規雇用の割合は5年前の39.4%から39.7%へと上昇し全国平均を上回りました。千葉県がとりわけ正規雇用の促進に力を入れなければならないのは明らかです。


しかし千数百億円をかけて開発したかずさアカデミアパークは企業立地が進まず、県がホールの赤字の穴埋めや賃料の肩代わりなどをしていながらいまだに半分ほどの用地しか使われていません。1470人の雇用を生んでいるといいますが、そのうち正規雇用が何人かもつかんでいません。さらに県が企業誘致のために出している立地企業補助金についても、4年間で56件・約7億円を補助し3200人の雇用につながったといいますが、やはり正規雇用の数はわかりません。


立地企業補助金のなかでも問題なのが、2014年度から始まった雇用創出支援です。事業開始3年後の雇用者数に応じて一人当たり正規社員5万円、非正規社員2万円が補助されるという制度ですが、補助金の交付はこれからというものの申請している企業が採用予定者数を示しています。それによれば正規が773人に対して非正規は1469人と非正規の申請が2倍近くになっています。


これをさらに大企業と中小企業に分けると、中小企業は半分近くを正規社員でまかなう計画なのに対して、大企業は正規が283人、非正規が850人と3倍になっています。県が補助金を出して、しかも体力のある大企業で非正規雇用を促進するなど本末転倒です。こうした問題点を指摘するなかで県も「正規雇用拡大が補助金の一つの目的なので、役割を果たしているとは言えない状況がある」と認めました。そもそも大企業にこうした補助金は必要ありません。制度の抜本的な改善を求めました。


決算審査特別委員会は来週24日、26日にも開催されます。