昨日の健康福祉常任委員会の続きです。


一般質問で県立障害者施設・袖ヶ浦福祉センターについて聞きました。センターでは2013年に当時の職員による利用者への虐待死亡事件が起こり、その後こうした虐待や暴力が組織的・日常的に行われていたことが明らかになりました。


センターの改革を進めるために2014年に第三者検証委員会によって答申が出され、2015年度から昨年度までの3年間を「集中見直し期間」とし県の積極的な関与のもとで改革を進めるとされました。


今回取り上げたのは、第三者検証委員会を引き継いだ見直し進捗管理委員会から発表された集中見直し期間の「総括評価」についてです。総括評価では県に対して大変厳しい意見が出されています。


二度と虐待を起こさないために、2014年の答申では一人ひとりの利用者にきめ細かに対応する「少人数ケア」を実現することを求めていましたが、総括評価では「センター全体をどう少人数ケアに転換するのか、そのためのハードウェアをどう整備するのか、方法論すら示されていない」と厳しく指摘されています。そして「県は県立施設としての将来像を最後まで示さず、これが改革を遅らせた原因」であると県の責任が断罪されています。


常任委員会ではこうした指摘をどう受け止めているのか聞きましたが、「今後設置されるセンターのあり方検討委員会で様々な方から意見を伺っていく」とまったく人ごとのような答弁を繰り返しました。


県はこの間、センターの定員規模を半減させるという目標のもとに利用者の地域移行を進めてきましたが、成人施設である「更生園」ではまったく地域移行が進んでいません。3年間で更生園からの退所者はわずか10名に留まり、しかもそのうち5名は亡くなった方です。今年度は8名が退所していますが(うち死亡が1名)、合計18名の退所者のうち亡くなった6名を除いて他の入所施設に移った方が2名、家庭復帰が1名、グループホームなど地域生活に移行した方は9名に過ぎません。「定員90名を3年間で50名程度まで半減する」と期限を切って移行を進めること自体が無理のある目標だったと言わざるを得ません。


そもそも袖ヶ浦福祉センターは県内でも超重度の障害者を集中して受け入れてきました。特別な手立てを取らなければ定員を半分にすることなどできないことは明らかだったにも関わらず、県はまともな手立てを取ってきませんでした。グループホームもいまだに多くの待機者がいるなど整備が遅れ、入所施設については一切定員を増やしてきませんでした。


この点で、神奈川県の「津久井やまゆり園」とは対照的です。2016年に元職員による殺傷事件が起こったやまゆり園については神奈川県が昨年、「再生基本構想」を発表しています。


このなかでは「130人の利用者すべてが安心して安全に生活できる入所施設の居室数の確保」を前提に利用者自身の選択の幅を広げ、安心して地域生活に移行できる仕組みを構築するとされ、「施設の居室は原則として個室」「居住単位は11人としてそのうち1人は短期入所」「可能な限り一般の住居に近い構造や外観とする」「地域との交流が自然に生まれる空間づくりのため敷地の境界は塀ではなく植栽や花壇で区画する」などの具体的なイメージを明らかにしています。


袖ヶ浦福祉センターについてもこうした将来像こそ示すべきではないかと聞きましたが、返ってきた答えは同様でした。あまりにも主体性のない千葉県の姿勢が厳しく批判されているのにそれすらも自覚がないというのでしょうか。


総括評価では「現状は利用者に対する人権侵害というべきであり、このままの状態が続くのであれば2年後にはセンターの民営化の是非を判断する」と提言されています。障害者福祉への責任を投げ捨てる千葉県のやり方を絶対に許すわけにはいきません。県の姿勢の転換は急務です。