千葉県議会は今日から常任委員会。健康福祉常任委員会で議案4本、請願1本、発議案6本の審議と一般質問を行いました。


2月に比べれば議案の数は少なめでしたが、重要な内容が多くありました。


政府は医療が必要な要介護者が入院する療養病床の削減を狙い、特に介護療養病床を2023年度までに廃止することを予定していますが、その受け皿として新たに創設されるのが介護医療院です。今回はその人員や設備などの基準を定める条例が提案されましたが、従来の介護療養病床では最低3人配置しなければならなかった医師も宿直を行わない場合は1人でよく、必要な医療的ケアが受けられない恐れがあります。


「生活施設としての位置づけを重視した」と言いながら、1人当たりの面積基準は特養よりも狭く、大規模改修までは老人保健施設と同様の基準も満たす必要はありません。医療費削減のために必要な規制を緩め、無理やり療養病床からの転換を促そうというのですから問題です。そもそも千葉県の人口当たりの介護療養病床数は全国43位、削減どころか拡充が求められています。


また旅館業法施行条例の一部改正も提案されましたが、こちらも「旅館・ホテル営業」に旅館業法上の営業種別が統合されただけでなく、様々な規制緩和が盛り込まれています。


トイレについては「水洗式で、座便式のものがあり、男女別のものがあること」となっていたのが、「適当な数の便所を有すること」で良くなり、出入口や窓に鍵をかけることができることや、客室と客室、廊下との境は壁づくりでないといけないなど安全面、衛生面から設けられていた基準が削除されました。


とりわけ問題なのは「玄関帳場」、いわゆるフロントについての基準が緩和され、「緊急時における迅速な対応を可能とする設備を備えて」いれば、顔認証カメラなどICT機器による代替措置で可能とされたことです。フロントに人を配置しなくてもよいとなれば緊急時の対応はどうするのか。迅速な対応といいますが、10分程度で駆けつけることができればよいということ。防犯上も大変な問題です。


一方、県の重度心身障害者医療費助成制度に精神障害者を加えるよう求める請願が全員一致で採択されました。障害者団体や家族会のみなさんが繰り返し求めてきたことであり、この間県内の16を超える市町村議会で同様の意見書も上がっていました。関東では精神障害者が対象になっていないのは千葉県と栃木県だけ。審議のなかでも県に速やかな取り組みを求める声が相次ぎました。


その他には東千葉メディカルセンターへの財政支援や循環器病センターの問題についても取り上げました。県立病院の乱暴な統合を進めようとしたこの間の県のやり方も厳しく批判しましたが、相変わらずの不誠実な答弁でした。こうした姿勢を根本から正さないといけません。引き続き力を尽くします。