一昨日から今日までの3日間、大阪市で開かれた「全国地方議員社会保障研修会」(大阪社会保障推進協議会主催)に参加してきました。朝から夕方まで日程もぎっしりというものでしたが、内容はとっても充実していました。


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千葉県からの参加者で記念撮影


一日目の最初は生活保護問題について。講師は生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士です。生活保護受給の権利をどう守るのか、実践的なお話で非常に勉強になりました。


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小久保哲郎さん


一方で2013年から2015年にかけて行われた670億円もの生活保護削減のひどさもあらためてよくわかりました。当時は物価が下がったことを削減の理由にしたにもかかわらず、来年度の削減は物価が上がっているのに保護を受けてない人との均衡を理由に削減する。あまりにも恣意的なやり方に怒りがこみ上げてきます。


次は「女性と子どもの貧困について」。神戸親和女子大学教員の芦田麗子さんです。DV被害に苦しむ女性や子どもたちのためにいま何をしなければならないのか、胸に迫るお話でした。一人で悩むシングルマザーのために立ち上げた「シンママ大阪応援団」の活動も感動的でした。


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芦田麗子さん


二日目は大阪社保協事務局長の寺内順子さんによる「国保都道府県単位化」について。そもそもの国保の歴史から「払える保険料とはどうあるべきか」を解き明かし、豊富な資料で運動の道筋を明らかにしたお話でした。実は多くの自治体で国保財政が黒字になっており、保険料引き下げの余地が十分にあるということも明らかにされました。国保会計を深く分析する力をつけたいですね。


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寺内順子さん


二日目の午後は大阪教育大学教授の高山新さんによる「地方財政の基本と財政分析」。率直にいって難しい中身もたくさんありましたが、「選択と集中」「トップランナー方式」など政府による地方財政圧縮への圧力とどうたたかうかがよくわかりました。


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高山新さん


そして今日三日目はまず、宝塚市の学校給食について。教育委員会学事課長の高田輝夫さんから聞きました。兵庫県宝塚市の学校給食は中学校12校、小学校24校すべてで自校調理場方式の給食を実施しています。パンもその日の朝に焼き、出汁も丁寧にとり、ふりかけやジャムまで手作りするなど市長が「日本一」と自慢するほど徹底しています。


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高田輝夫さん


かつてはいち早く給食業務の民間委託を行い、不祥事や異物混入など苦い経験も味わったそうです。高田さんは話題になった「ハマ弁」などデリバリー弁当は絶対に美味しくない、やめた方がいいときっぱり。給食は自治体が子どもたちのことをどれだけ真剣に考えているかの指標だということです。


最後は大阪社保協介護保険対策委員長の日下部雅喜さんによる「第7期介護保険制度の内容と自治体での課題」。介護保険外しの総合事業や新たに始まったインセンティブのしくみ「保険者機能強化推進交付金」の問題点など理解が深まりました。「国家的詐欺」といわれる介護保険制度の改革は待ったなしです。


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日下部雅喜さん


どの講義も今後の議会論戦や運動のなかで生かせるものばかりでした。準備された講師のみなさん、大阪社保協のみなさん、どうもありがとうございました。


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道頓堀といえばこれです


研修会の会場は大阪・ミナミの繁華街、道頓堀のすぐ近く。難波の地下街の広さに驚き、にぎやかで風情ある大阪の街、食い倒れの魅力も楽しみました。