昨日、今日と県議会健康福祉常任委員会の視察で石川県、富山県を訪問してきました。雪が心配されましたが何とか実施することができました。


一日目は石川県かほく市にある石川県立高松病院に伺いました。1966年に開院した同病院は精神科救急医療の基幹病院であるとともに、早期対応と生活支援を組み合わせた「高松方式」という認知症対策で注目されています。


認知症になっても住み慣れた自宅や地域で暮らしたいという患者さんのニーズにこたえ、情報共有をはじめとした医療と介護の連携を進めています。きっかけになったのは、同じように困難に直面していた地域のケアマネージャーからの「認知症についての勉強会をしたい」という申し出だったそうです。認知症患者の事例検討会を進めるうちに地域のかかりつけ医も加わり、「かほく医療介護ネットワークの会」の結成につながりました。


入院前相談や退院後支援など病院と地域の協力・連携体制を深めるなかで、在院日数の減少にも結び付いているとのこと。そのなかでは、再任用で雇用されている経験豊かな訪問看護師の方々が、地域で多職種が顔の見える関係を築くうえで大きな役割を果たしているということでした。


独居世帯の増加で退院困難な事例も増えてきているなど課題もありますが、「患者さんに寄り添い、家族の気持ちになって介護方法を考えたり、介護サービスを提供する」(病院パンフレットより)ために、千葉県でも学ぶ点があるかもしれません。


二日目の今日は富山市にある富山県リハビリテーション病院・こども支援センターに伺いました。同病院は1984年に開院した高志リハビリテーション病院、肢体不自由児施設の高志学園、肢体不自由児通園施設の高志通園センターを統合し、同じ敷地内に2016年1月に開院しました。


さすがに新しい病院だけあって施設は広々として立派です。こども棟の病室は多人数部屋でもすべてのベッドに窓から光が入るようになっていたり、障子や縁側のようなスペースが確保されていたりと家庭的で温もりのある空間にする工夫もされていました。


千葉県では旧高志リハビリテーション病院と同じ年に千葉リハビリテーションセンターができましたが、やはり施設の老朽化・狭隘化が著しく早期の建て替えが求められています。千葉県は「5年以内に建て替えに着手する」という計画を決めたものの具体的な動きはこれからです。


先行して建て替えを行った富山県の例に学んで千葉県にも速やかに生かしていくように求めていきます。関係者のみなさんにはお世話になりました。ありがとうございました。


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富山県リハビリテーション病院・こども支援センターで

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どのベッドにも光が差し込むこども棟の多床室

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病室の外側に障子で仕切られた「縁側」のようなスペースがあります

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テーマパークのようなこどもセンターのロビー