来年度からの国民健康保険の都道府県単位化(広域化)に向けて、千葉県が行なった第3回試算結果が公表されました。
制度開始にあわせて実施される国の公費拡充1700億円のうち、今回の試算では1200億円分が反映されたということです。千葉県の配分額は68億円です。
試算は今年度に広域化が実施されたとした場合の2015年度との保険料の比較を行ったものです。一人当たり保険料は103,955円で2015年比で1,012円の引き下げになるという結果です。しかし16自治体では引き上げになり、最も上がるところは年2万円近くも引き上がります。相対的に所得の高い市町村が所得の低い市町村を支えるという広域化の本質が表れた結果になりました。
広域化に当たって保険料が大きく高騰することがないように、今回の試算では「激変緩和措置」が3パターンで行われました。一定割合以内に保険料の伸びを抑えるということですが、これは一度市町村に配分したお金を引き上げて再配分するということにすぎません。広域化で保険料が下がるところの下げ幅を圧縮してその分をまわすということです。
そもそも前回5月に行なった試算結果とはまったく違う数値になっており、試算の前提や使用した係数の違いなども定かではありません。千葉市などは「激変緩和措置」を行った後のほうが保険料が引き上げになるという結果です。その他にも様々な問題がありますが、いずれにしても県民に情報をすべて明らかにして進めていくことが必要です。
https://www.pref.chiba.lg.jp/hoken/press/2017/shisankekka201709.html