今年度になって2回目、通算4回目の千葉県国民健康保険運営協議会が開かれ傍聴してきました。


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来年度から実施される国民健康保険(国保)の都道府県単位化(広域化)に向けて、制度開始にあわせて国による1700億円の新たな公費拡充が実施されます。その概要が明らかになり、今日の運営協議会で県としての配分方法や都道府県単位化に当たって保険料が大幅に引きあがる市町村に対する激変緩和への対応についての案が示されました。また今まで各市町村に配分されていた県調整交付金(医療給付費の9%相当)については県繰入金となり、6%分は現行どおり定率交付、特別調整交付金(3%)として配分されていたうちの1%分も今まで通りインセンティブ分として配分、2%分は激変緩和に充てられます。


国の公費拡充分1700億円のうち、財政調整交付金の実質的増額として800億円程度、保険者努力支援制度として800億円程度が配分されます(その他特別高額医療費共同事業への国庫補助の拡充に数十億円程度を確保)。調整交付金のうち、300億円程度が普通調整交付金の拡充に、暫定措置として追加激変緩和分300億円程度が各都道府県に配分されます。また特別調整交付金として子どもの被保険者数に応じて100億円程度が都道府県に、精神疾患や非自発的失業への対応として100億円程度が市町村に配分されます。


激変緩和については、①国の暫定措置(追加激変緩和)に加えて、②県繰入金(2%分)、③財政安定化基金の特例基金の組み合わせで対応します。激変緩和の基準については2016年度と2018年度の保険料を比較し、一定割合を設定したうえでそれを超えた部分について措置します。一定割合については国のガイドラインに準じて0.5~2%の範囲内で検討するということです。


大きな問題は1700億円のうち残りの800億円を占める保険者努力支援制度です。特定健診や特定保健指導の実施率、後発医薬品の使用促進など様々な項目があり、すでに2016年度から市町村分の一部が前倒しで実施されていますが、加点方式の評価で千葉県の平均獲得点は188.3点、全国平均を下回っています。特に全国平均に比べて低い収納率によって、収納率(加点40点)の項目で加点が少なくなっています。来年度の制度実施時には都道府県分(500億円)が加わり、①主な市町村指標の県単位評価、②県の医療費水準に関する評価、③医療費適正化、医療提供体制適正化、法定外繰入の削減、という3つの指標で市町村と同じように加点方式でランク付けされます。


より多くの加点をもらおうと思えば、医療費を削減し、病院のベッド数を減らし、保険料を抑制するための市町村の一般会計法定外繰入をやめさせなければなりません。公費拡充といいながら高すぎる保険料の引き下げにつながる保障はまったくなく、県民の医療を受ける権利をさらに侵害することにもなりかねません。


今回の方針を受けて新たな保険料試算(2017年度保険料の第3回試算)が行なわれるということでしたが、今日の運営協議会では試算結果は示されませんでした。8月中にも行われる試算の結果を注視するとともに、こうした公費拡充方針では国保の構造問題の解決にはつながらないことを鋭く告発していく必要があります。


千葉県国保運営方針(骨子案)については県のホームページで公開され、8月23日までパブリックコメントを実施しています。ぜひ多くのみなさんに意見を寄せていただければと思います。