今日から千葉県議会予算委員会。日本共産党県議団を代表して初めての質疑に臨みました。


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テーマは若者を中心とした雇用改善の取り組みについて。県は「雇用情勢は改善している」と今日も答弁しましたが本当にそうなのか。事実に基づいて明らかにしました。


多くの労働者にとって雇用状況が改善しているという実感はありません。賃金でいえば男性は20年前(1997年)の水準を下回っています(2016年賃金構造基本統計調査)。


その最大の要因は非正規雇用が大きく増加したことです。県ごとの就業状況がわかる就業構造基本調査で1997年と最新の2012年を比較すると、千葉県では正社員が186万人から165万人と21万人も減少した一方で、非正規雇用は59万人から107万人へと約50万人も増加しました。非正規雇用が占める割合は実に22%から39%、4割へと急増しました。


一番の犠牲者が若者です。15歳から34歳では同じ期間に正社員が約30万人も減少し、若者の2人に1人が非正規雇用という実態が生まれました。これは決して若者の意識の問題などではなく、労働者派遣を原則自由化する大改悪(1999年)をはじめとする一連の雇用のルール破壊が原因です。


過労死するほどの長時間労働が強いられる一方で、正社員で働きたくてもまともな職がない。こうした状況が続けば未来はありません。森田知事も「非正規雇用を取り巻く深刻な実態」についてはさすがに否定できませんでしたが、雇用問題に取り組む大前提として正規雇用が当たり前の社会を実現するために県が力を尽くすことを求めました。


そのうえで具体的な取り組みとして提起したのは、ブラック企業・ブラックバイトから若者を守るための相談体制の拡充です。高校生・大学生を対象にした厚労省の「アルバイトに関する意識等調査」(2015年)でも明らかになったように、大学生の6割、高校生の3人に1人がアルバイトで労働条件に関するトラブルにあっています。


問題はそうしたトラブルの際に相談する場所として、家族や友人・知人が最も多く、いわゆる「泣き寝入り」も大学生で2割、高校生で1割に上ります。こうした時こそ行政の相談窓口が役割を発揮すべきですが、行政機関などの専門の相談窓口に相談したのは大学生1.6%、高校生0.7%とほとんど認知されていません。


各県には幅広く相談を受け付ける労働相談センターがありますが、年間の相談件数には大きな違いがあります。東京都(約52000件)、神奈川県(約12000件)、埼玉県(約5500件)に比べて、千葉県は1700件。なぜこんなに違うのかと聞いても県はまともに答えられませんでした。


ここには雇用問題に取り組む姿勢が表れています。東京都は6ヶ所のセンターに40人以上の相談員、神奈川県には4ヶ所のセンターに53人の職員がいます。神奈川県では「ただ待っているだけでは本当に相談を必要としている人には出会えない」と年間50日前後の街頭労働相談にも取り組んでいますが、そうした活動が可能なのもセンターの職員がすべて県の正規職員で労働問題の専門職員(プロパー)として育成されていることにあります。


神奈川県ではセンターの人件費だけで4億円以上ですが、開設時から14年間ずっと変わらず嘱託の相談員が5人だけという千葉県の予算はわずか904万円。これでは雇用問題に真剣に取り組むつもりがあるのか、根本から姿勢が問われます。抜本的に予算と体制を拡充すべきという質問に、県は「労働相談センターに必要な機能とあわせて検討していく」と答えました。


雇用問題の解決は千葉県の未来がかかった取り組みです。引き続き7月3日(月)にも開かれる予算委員会で県の姿勢をただします。