千葉県議会本会議2日目。日本共産党から丸山慎一議員が代表質問に登壇しました。


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まず追及したのは3期目を迎えた森田知事の政治姿勢について。補正予算案で発表した保育士給与改善策の拡充を求めるとともに、安倍首相の改憲発言や共謀罪法の強行についても質しました。


県知事選挙の際、森田知事は共謀罪について「国会でしっかりとした議論をしてもらいたい」とマスコミの取材に答えていましたが、法務委員会の採決すら省略し強行した今回のやり方が「しっかりとした議論だったと思うのか」と問われても、「国会で議論して決まったこと」と他人事のような答弁を繰り返しました。安倍首相の改憲発言についても「国会での議論の活性化を促すために自民党総裁として行ったもの」と安倍首相の言い分そのままの答弁でした。


県政の大きな問題は相変わらず見通しのない巨大開発です。今回取り上げたのは北千葉道路とともに「千葉港長期構想」について。現在20フィートコンテナ換算で10万個のコンテナ貨物取扱量を30年後には4倍にするという途方もない構想で、そのために千葉中央地区では30haもの海域を埋め立て、葛南地区では巨大な橋を臨港道路として2本もかけようというのです。


コンテナ


これだけ巨大な事業でありながら、少なくとも数千億円単位に上ることが明らかな概算事業費すら示されていません。根拠もなく過大な見通しを立て、莫大な税金を投入し続ける-過去の巨大開発の失敗をまたも繰り返そうというのでしょうか。


さらに追及したのは成田空港の機能強化の問題です。昨年9月、国、県、空港周辺9市町、空港会社の4者によって成田空港の機能強化が打ち出され、B滑走路の延伸とC滑走路の新設、深夜の飛行時間の拡大などが示されました。いままで午前6時から夜11時としていた飛行時間を午前5時から深夜1時まで拡大するという内容に住民は当然ながら猛反発。空港は見直し案を示しましたが、それでも「早番」と「遅番」を入れ替えながら朝5時から深夜0時半まで飛行するというものです。静かな時間が4時間半しかないというのではとても人間がまともに住める環境ではありません。


確認書


そもそも現行の午前6時から午後11時までという飛行時間は開港時に羽田空港の制限時間を参考に設定されたものです。新たな都心ルートの検討が行なわれている羽田でも、陸上を飛行する場合は今まで通りの時間制限があります。2013年に飛行制限時間の弾力的運用が持ち込まれた際に県も当事者の一人として交わされた確認書では、「なし崩し的に運用時間が拡大されることのないよう23時以降に新たなダイヤを設定しないこと」と明記されています。わずか4年で約束を反故にし、成田周辺の住民だけに耐えがたい騒音被害を強いるなど絶対に許されません。知事は「国際競争力の確保のため」と言いますが、住民の生活を犠牲にした国際競争力などありえません。


3期目を迎えた森田県政も、やはり県民のくらしより大企業・ゼネコンの利益最優先、国いいなりの姿勢だと言わなければなりません。根本的な転換を求め引き続き追及していきます。