千葉県議会健康福祉常任委員会が終わりました。補正予算案、生涯大学校の設置管理条例改正案、「千葉県子どもを虐待から守る条例案」などについて審議しましたが、終了後は7月にも訪問した千葉リハビリテーションセンターに常任委員会として視察を行いました。カーテンで仕切られているだけのトイレにはさすがに他会派の議員も衝撃を受けていました。改善は急務です。


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千葉リハビリテーションセンターの視察


常任委員会のなかでは代表質問でも取り上げた県立障害者施設「袖ケ浦福祉センター」について質問しました。3年前に起こった職員による利用者への虐待死亡事件を機に「集中改革期間」と称して定員半減・規模縮小を進めるセンターでは、この間職員に対しても賃金カットが押し付けられています。


ベテラン職員に対して支給されている「移行調整給」(2006年の指定管理者制度導入を機にそれ以前に働いていた職員に支給)を今年度、来年度と一律10%ずつ削減します。


さらに国から支給されている処遇改善加算は、「収入減」を理由に週40時間勤務のフルタイム職員で月14000円から8000円へと半分近くの削減です。年換算なら72000円もの賃金カット。しかしそもそも収入が減ったのは県自身が定員を減らしてきたからです。


もっと重大なのは、支援員など入所者の処遇に直接当たる職員以外の事務員や栄養士などの加算分です。今まではセンターとして独自に出されていましたが、今回の改定によって直接処遇職員の半額に、来年度は完全に廃止となります。週40時間フルタイムなら昨年度は月14000円あった加算が今年度は4000円、来年度はゼロです。年換算なら実に168000円もの賃金カットとなります。


これでは職員が希望を持って働けるわけがありません。昨年度末のセンターの正規職員の退職者は43人、民間法人に移った人を除いても定年退職は2人だけです。センターの解体を進める県の方針が現場で深刻な矛盾を引き起こしているのは明らかです。


そもそも3年前の事件の引き金を引いたのは10数年前の大リストラでした。賃金カットと退職勧奨によって正規職員は半減、非正規職員は4倍に増え、センター全体の技術、知識、経験が大きく後退しました。それをまた繰り返そうというのでしょうか。こんなやり方は絶対に許されません。県はこれまでのやり方を改め、真に利用者の立場に立ったセンターの改革を進めるべきです。