今日は「江戸勝り」と言われる風情ある佐原の街並みや香取神宮で有名な香取市へ。香取市革新懇主催の地域医療を考えるシンポジウム「県立佐原病院の存続・充実を求めて」でパネラーの一人として発言させていただきました。


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千葉県自治体問題研究所理事長の八田英之さんをコーディネーターに、地元香取郡市医師会副会長で県保険医協会会長の岡野久さん、県職労佐原病院分会長の伊能永康さん、患者代表の小林利雄さんがパネラーとして、それぞれの立場から佐原病院の重要性について発言しました。さらに東金市の前田京子市議が特別発言として、県立東金病院の廃止とその後に開設された東千葉メディカルセンターの窮状について告発しました。


私に与えられたテーマは「県の保健医療計画から見る佐原病院」です。現行の保健医療計画では、「県立病院が担うべき政策医療とは、がん、循環器などの高度専門医療や三次救急医療など全県や複数圏域を対象とした医療を中心とし」、「一般医療については、…地域の民間病院や市町村等が担うことが重要です。」とされています。佐原病院などで行う地域医療は県が担うべき医療ではないというわけです。


このおおもとになったのは2004年の「千葉県立病院経営健全化・将来構想」です。多額の累積欠損を抱え、施設の老朽化問題など財政的な理由から打ち出された方針でした。


保健医療計画には「県は、新たな医療提供体制が整うまでは、これまで県立病院が担ってきた地域医療の水準が後退しないよう十分に配慮」すると書かれていますが佐原病院の現状はどうでしょうか。


2004年から2015年の間に延入院患者数は3割、延外来患者数は2割減少、原因は医師数の減少です。2012年に一時30人にまで増えた医師は今年は18人にまで激減。長らく休止している産婦人科に加えて、循環器科や脳神経外科、泌尿器科や眼科でも常勤医師が不在になりました。香取市内でお産ができる病院はありません。どう考えても「地域医療の水準が後退」しています。


耐震強度不足が指摘されている本館の耐震化は20年以上にも渡って先送りし、東金病院のように「立ち枯れ状態」にすることを狙っているとしか思えません。


170人を超える会場の参加者からも活発に意見が出され、佐原病院の存続・充実を求める署名もその場で300筆以上寄せられました。やはり決定的なのは世論と運動の力です。今日のシンポジウムにも幅広い方々が参加していましたが、この共同の力で県を追い詰めたいと思います。貴重な機会をいただきありがとうございました。