東京都が築地市場の移転先としている豊洲新市場予定地がマスコミで大きな話題になっています。


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もともと東京ガスの工場跡地で発がん性物質のベンゼンや猛毒のシアン化合物、ヒ素などが検出されていた土地。生鮮食品を取り扱う市場には最もふさわしくない場所でした。


東京都の専門家会議は2008年、汚染土壌を2メートル掘削し、厚さ4.5メートルの「盛り土」を行う土壌汚染対策をまとめました。858億円もかけて対策をしたはずが主要な建物の下で盛り土が行われていなかったのです。9月7日に日本共産党東京都議団が現地を視察した際には、水産卸売市場棟地下で深さ1.2センチほどにわたって水が溜まっていたことも明らかになりました。空間のベンゼン濃度が高かった青果棟は砕石が敷かれたままでコンクリートも打たれていませんでした。


一方で各売り場棟の建設工事の平均落札率は99.9%となっており、談合の疑いが強く持たれています。当初よりも建設工事費が高騰したことなど、そもそも移転計画の全体に不透明な点があまりにも多すぎます。日本共産党都議団はこうした事態を受けて提言を発表。徹底した真相解明が必要なことはもちろん、住民や仲卸業者の納得が得られない計画はきっぱりと中止すべきです。