今日は丸山慎一県議とともに千葉県千葉リハビリテーションセンターへ視察に行ってきました。千葉リハビリテーションセンターは1981年に千葉県が設置し、社会福祉法人千葉県身体障害者福祉事業団が開設時から運営を委託され、2006年からは指定管理者として管理運営を行っています。


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はじめに事業団の渡辺清一理事長から挨拶があり、その後吉永勝訓センター長からセンターの概要について説明を受けました。センターは回復期リハビリテーションを担う医療施設(病院)、医療型障害児入所施設・愛育園、障害者支援施設・更生園などから構成され、医療法に基づく病院部分だけでもベッド数は242床あります。さらに児童発達支援センター、高次脳機能障害支援センターなども設置され、医療・福祉を総合的に提供するリハビリに関する県の中核施設です。特に一般的な回復期リハ病院に比べて脊髄損傷や高次脳機能障害患者の占める割合が高く、民間病院では対応が難しい専門的なリハビリを提供しています。


小児療育部門では隣接する袖ケ浦特別支援学校や県立子ども病院とも連携を図りつつ、やはり県の小児療育に関する中心的な役割を果たしています。一方で重症心身障害児など入所者の重度化が進み、入所待機者は年々増加しています。


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これだけ重要な役割を果たしているセンターですが、開設から40年近くが経過し施設の老朽化対策が大きな課題になっています。説明を受けた後センター内を見学させてもらいましたが、病棟には個室も少なく5~6人の大部屋が中心、病室内に手洗い場もありません。またトイレはカーテンで仕切られているだけで完全な個室になっておらず、リハビリ施設にも関わらず施設間をつなぐ廊下は段差付きの坂道になっているところもあります。浴室までの動線が長かったり、診察室・面談室もないなど、施設が古すぎてニーズにまったく見合っていません。そのうえライフラインなどの老朽化が進み、2008年には半日に渡る停電が発生し、また排水管の腐食によって水漏れもたびたび起こっています。本館棟は耐震基準も満たしていません。


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抜本的な建て替えが必要なことは明らかですが、すでに6年前からセンターが建て替えプラン策定に着手し県に提出してきたにも関わらず、県はまったく手をつけません。3年前には森田知事も視察に訪れましたが事態はまったく動きませんでした。それどころかその翌年、県資産経営課が調査を開始し、「公の施設」として「廃止・移譲」を含む見直しの対象とされました。現在は「運営改善を図りつつ施設を維持する」とされていますが、そもそも検討の対象とされること自体が問題です。


センター内には補装具製作施設もあり、精巧な義手・義足などがつくられていました。またMRIや三次元動作解析装置、ドライブシミュレータ、ロボットスーツなど新たな機器の導入も進めていますが、根本的な対策にはなりません。吉永センター長は「重要な医療施設として県にもしっかりと位置付けてもらいたい」と話していましたがその通りです。今後、議会でも取り上げ県に対策を迫りたいと思います。