千葉県議会健康福祉常任委員会が終わりました。初めての予算議会、膨大な予算書と格闘しながら少しでも県民の立場を反映させられるように質問しました。


予算の問題で取り上げたのは、不祥事が相次ぐ千葉県がんセンターとともに、県立佐原病院の耐震化についてです。耐震スリットなど細かな工事は行なっているものの、本格的な耐震補強を行うためには一時移転なども含めた大規模な工事が必要です。ところが今年度予算で耐震補強工事の調査費2200万円が計上されていたのに実施されず、来年度予算では調査費そのものが消えてしまっていました。「一刻の猶予も許されない耐震補強工事のはずなのに調査すら実施されないのはなぜか」と質問すると、県は「周辺の医療環境が変わったために実施を先送りすることになった」とあいまいな答弁を繰り返しました。


成田市の医学部新設などが理由と言いますが、どれだけ影響を受けるかも定かではなく、附属病院の開業は4年も先です。香取市では市長が「佐原病院の充実が進まない場合は市として400床の病院誘致を考える」と議会で答弁しています。そんなことになれば、県がもともと狙っていた地域医療からの県立病院の撤退というレールが敷かれることになります。耐震補強工事を本気で進めないのも「どうせ撤退する病院だから」と考えているのではないか、そう思われても仕方ありません。


県立東金病院が撤退した後に県が関与してつくられた東千葉メディカルセンターは経営状況の悪化によってまったく先の見通しがつかない状態です。県は2014年からの10年間で82億円、毎年8.2億円の財政支援を行なっていますが、2月補正予算で赤字の穴埋めのためにさらに6.6億円を前倒しして支援することを決めました。この分は当然、後から引かれることになります。そもそもはこれも県立病院を撤退させた県の責任です。


一方で国家戦略特区に基づき「国際的な医療拠点」を目指す成田市の医学部新設には、3年間で35億円を支出します。後期高齢者医療制度の保険料引き下げのために、県が管理する財政安定化基金を活用することにはまったく背を向け、森田知事が選挙公約として掲げていた子どもの医療費助成制度の拡充は今年もまったく進みませんでした。


一体どちらを向いているのか。県民の立場に立った医療・福祉行政の実現のために県の姿勢を転換させることは急務です。