65歳になると障害福祉サービスを打ち切られ、強制的に介護保険に移行させられる「65歳の壁」。障害福祉サービスでは自己負担がなかった人まで「1割負担」が強いられます。障害者総合支援法7条の「介護保険優先原則」の矛盾です。


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天海さん(先頭左側)を先頭に千葉地裁に入る支援者のみなさん


介護保険を申請せず引き続き障害福祉サービスの利用を求めた天海正克さんが、機械的に障害福祉サービスを打ち切った千葉市を相手取って起こした「天海訴訟」。障害者のみなさんの人権と尊厳をかけた裁判、今日は千葉地裁で第1回口頭弁論でした。障害者団体のみなさんと運動を広げてきた浅野ふみ子参院千葉選挙区予定候補とともに参加しました。


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閉廷後に千葉地裁隣の千葉県弁護士会館で行われた報告集会


同様の訴訟をたたかう愛知や岡山など遠方からの方も含めて30人の傍聴席があふれるほどの支援者が詰めかけました。閉廷後はともにたたかう弁護団もいっしょに報告集会。「天海さんの背後には声を上げたくても上げられない多くの障害者のみなさんがいる。運動を大きく広げて必ず勝訴をかちとろう」という決意が交流されました。介護保険への強制移行は、障害者自身の運動によってかちとってきた「応能負担」の仕組みを奪い取る攻撃です。この訴訟に負けるわけにはいきません。私も力をつくしたいと思います。


天海さんの意見陳述を抜粋して紹介します。


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 私は、全国の障害者の仲間たちの団結と運動により、低所得者である障害者の1割個人負担が撤廃されたのに、65歳になると1割負担が復活するのはおかしいと思います。
 そして、介護保険を申請しないことを理由に障害者福祉給付をストップされれば、低所得者である障害者は、たちまち生活できなくなってしまいます。

(中略)

 障害者の自律や社会参加という理念からすれば、65歳を迎える障害者に、介護保険と障害者福祉給付について、選択の機会が与えられないことも問題だと思います。
 このように、介護保険優先原則には、不合理な面や障害者の生活を脅かす面があります。それを省みずに、介護保険優先原則を徹底することは、法的にも許されないことだと思います。