今日は12月議会に向けて日本共産党千葉県委員会主催の全県地方議員会議。9月議会が終わったと思ったらもう12月議会です。県議会の開会日は11月25日。しっかりと学ばなければ。


20151020_155014


写真はこの間、「国民連合政府」の呼びかけを持って訪問したあるお寺。千葉市の開祖である千葉氏のお墓が並んでいました。

さて、昨日行なわれた県議会での「安保法制の白紙撤回を求める意見書」への賛成討論大要を紹介します。


------------------------


日本共産党を代表して、発議案第21号「安保法制の強行採決に抗議し白紙撤回を求める意見書」への賛成討論を行います。

安保法制が成立してから1ヶ月、国民のなかに広がる反対の声は鎮まるどころかさらに大きく発展しています。学生や高校生、子育て中のママやパパ、先の大戦を体験した世代の方々など、国民一人ひとりが自らのたたかいとして立ち上がり、「憲法を守れ」「安倍首相はやめろ」という巨大なうねりとなっています。10月18日には「シールズ」のみなさんが、東京・渋谷で「安保法制に反対する渋谷街宣」を行ない、野党5党の国会議員がそろってあいさつしました。政府・与党の「数の暴力」によって安保法制の採決は強行されましたが、国民はまったく屈していません。

 

意見書(案)にあるように、安倍政権が強行成立させた安保法制は、憲法を幾重にも踏みにじる違憲立法そのものです。「戦闘地域」での兵たん活動、戦乱が続く地域での治安活動、米軍防護の武器使用、そして集団的自衛権行使――そのどれもが、憲法9条を蹂躙して、自衛隊の海外での武力行使に道を開くものとなっています。

安保法制の成立を受けて安倍政権は、さっそく来年3月からの南スーダンPKOでの自衛隊の任務に、「駆けつけ警護」を追加する検討を始めました。しかし南スーダンでは政府軍と反政府軍の停戦合意が破綻し、住民を巻き込んだ武力紛争へと発展しています。武器使用を伴う「駆けつけ警護」に従事すれば、自衛官が他国の市民に発砲して殺したり、攻撃されて殺されたりする初の事態にもなりかねません。日本の平和と国民の命を危険にさらすこのような法律を、一刻たりとも放置するわけにはいきません。

 

法案の審議のなかでは、わが党が入手した内部文書によって自衛隊の異常な暴走が明らかになりました。5月に自衛隊統合幕僚監部が作成した内部文書では、南シナ海への軍事的関与、南スーダンでの「駆けつけ警護」の実施、米軍等の「武器等防護」に伴う交戦規則の策定など、国会に一切説明されていない項目が並ぶとともに、日米新ガイドラインの合意を受けて日米間に設置される「同盟調整メカニズム」のなかに「軍・軍間の調整所」を設けること-つまり自衛隊と米軍の合同の司令部をつくって、自衛隊が米軍の指揮下に入り、軍事的に一体化するという方針まで示されていました。

さらに昨年12月、河野克敏統合幕僚長が米軍幹部と会談したその会談録では、夏までに安保法制を成立させる見返りに、オスプレイの広域整備拠点-リージョナルデポを日本に誘致させてほしいと繰り返し米軍幹部に売り込んでいた事実も明らかになりました。もし木更津基地で、アジア太平洋全域のオスプレイの整備を一手に引き受けるということになれば、千葉県民の命と安全が根底から脅かされます。

これらの問題を国会で徹底して明らかにすることが必要だったにも関わらず、まったく耳を貸さずに強行成立に突き進んだことは断じて許されません。

 

そもそも何のためにこの法案が必要なのかという「立法事実」についても、安倍政権の説明はことごとく破たんしています。「日本人を乗せた米艦船の防護」も「ホルムズ海峡の機雷掃海」も、現実にはありえない想定だったということが審議のなかで明らかになりました。「立法事実」を示せない安倍政権が最後に持ち出してきたのは、中国や北朝鮮の脅威論です。しかし中国はいまや日本の最大の貿易国であり、国会審議のなかでも岸田外務大臣が、「中国を具体的な脅威として考えていない」と答弁しています。北朝鮮についても、様々な困難はあっても6か国協議の枠組みに立ち返る外交努力を、関係諸国と連携して強めることが唯一の解決策であることは明らかです。

国民も安倍政権の説明に納得していません。NHKが10月13日に発表した世論調査の結果によれば、「安全保障関連法の成立によって抑止力が高まり、日本が攻撃を受けるリスクが下がる」という政府の説明に納得できるかという問いに対し、「大いに納得できる」はわずか6%、「ある程度納得できる」とあわせても34%にとどまりました。一方で「あまり納得できない」「まったく納得できない」という答えはあわせて59%に達しました。

北朝鮮の拉致問題や核兵器問題、領土に関わる紛争問題、歴史問題をめぐる対立と相互不信など、北東アジアには様々な紛争と緊張の火種が存在します。しかし、そうした問題に対して「抑止力強化」の名で、もっぱら軍事で構えたらどうなるでしょうか。相手も軍事力の増強を加速することになります。そうした「軍事対軍事」の悪循環に陥ることが最も危険なことであり、どんな問題も外交的解決に徹すること、そのために憲法9条の精神に立った平和の外交戦略を確立することこそ、いま日本に求められていることではないでしょうか。

 

安保法制への圧倒的な反対世論に対して、安倍首相は、「国会多数での議決が民主主義だ」と繰り返しました。しかし昨年の総選挙で自民党が得た票は、有権者比でわずか17%です。小選挙区制度による「虚構の多数」で得た議席を理由に、国民の多数意思を踏みにじり、違憲立法を強行することは、民主主義の根幹を破壊するものです。憲法を無視する政治がまかり通るならば、それは「独裁政治」の始まりに他なりません。

立憲主義を守るたたかいはあれこれの政策課題とはレベルの違う最優先の課題であり、文字通りの「国民的大義」がかかったたたかいです。だからこそ私たち日本共産党は、「戦争法廃止、立憲主義を取り戻す」という一点で一致するすべての政党・団体・個人が共同して、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を樹立することを呼びかけました。この呼びかけはいま、野党各党に「思い切った提案」「理解を同じくする」と受け止められ、戦争法廃止の運動に立ち上がる幅広い団体・個人のみなさんから大歓迎されています。
 

議場にいるすべての議員のみなさんに心より訴えます。安倍政権の憲法破壊の暴挙を許さず、この日本に民主主義と立憲主義を取り戻すために力をあわせようではありませんか。政治的立場の違いを超えて、安保法制の白紙撤回を政府と国会に強く求めようではありませんか。

議員各位の賛同を求めるとともに、日本共産党はさらに幅広いみなさんと手をつなぎ、憲法に基づく政治を実現するために全力を尽くす決意を表明し、賛成討論といたします。