10月1日付の赤旗。従業員の大量退職により多くの店舗が閉鎖に追い込まれた牛丼チェーン「すき家」が、深夜の複数勤務体制を確立できないとして全体の6割にあたる1167店舗で深夜営業を休止するとのこと。当然の措置だとは思いますが、決して「すき家」だけの問題で済ませていいことではありません。

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7月31日に発表された第三者委員会による「すき家」調査報告書では、多くの正社員やアルバイトが月400~500時間を超えて働いていたこと、ほとんどの社員が「回転」(24時間連続勤務)を経験してきたこと、サービス残業や休憩時間を取れないなど異常な状況が常態化していたことを告発しています。

すき家調査報告書表紙

同時にこうした過重労働がなぜ放置されてきたのかという点について、①慢性的な人手不足を危機的な状況として捉えていなかったという危機意識の欠如、②過重労働(法令違反)を是正するしくみがない、③経営幹部の思考・行動パターンの問題、があげられています。

 

特に第三者委員会が経営幹部に直接ヒアリングした中身には開いた口がふさがりませんでした。「自分も月500時間働いてきた。(部下の姿勢は)レベルが低いと思う。もっと店を好きになってほしい」とか「自分たちの方がしんどかったという自負はある」など、この期に及んでもまるでいまの状況を理解していないことがわかります。

すき家調査報告書・経営幹部の声

企業の経営幹部の人たちが堂々とこういうことを言えてしまうことに、「ブラック企業」問題の深刻さを痛感します。形だけ「コンプライアンス」とか「CSR」などと言っているので余計にたちが悪い。法律・行政による規制と監督の強化、労働組合運動の発展がどうしても必要です。