千葉県議会は今日も本会議が行われ、日本共産党から岡田幸子議員が一般質問に登壇しました。
家族農業支援や地元市川市の貴重な文化財・赤レンガ倉庫(旧血清研究所)の保存・活用を求める問題とあわせて大きく取り上げたのは教育の問題でした。
教員の多忙化が社会的にも大きな問題となっていますが、千葉県はとりわけ深刻な実態を放置しています。昨年11月、千葉県が初めて行った勤務時間調査では、1日当たりの在校時間が小中学校で11時間以上、高校や特別支援学校でも10時間を超え、中学校では在校時間が週60時間以上の「過労死ライン」を超えている教員が66%にも達していることが明らかになりました。当然、教職員の心身にも不調をきたし、昨年度の長期療養休暇は145人にも上りました。
こうした状況に拍車をかけているのが、産休や病気療養の代わりの教員が措置されない「教員の未配置」です。市川市のある中学校では昨年に続き今年も6月から未配置となっています。美術の専科教員のため他の教員が授業の代行をすることもできず、校長先生は「1学期は自習にしたが、2学期は他の教科の授業を行っている」と語るなど正規の授業もできなくなっています。
最大の要因は県が必要な正規教員を確保せず、代替教員についても年度途中で非常勤の講師を募集するというやり方をとっていることです。岡田さんは具体的な実態を示し、県が独自に教員を確保することを求めましたが、県教委は「教員数については国が措置することが基本」「(多忙化解消に向けて)業務改善と教員の意識改革を図る」と繰り返しました。それで多忙化が解消するのなら苦労はしません。
他には行徳高校定時制の廃止や夜間中学校への教員配置の問題も取り上げました。船橋高校への統合を決めた行徳定時制について、県教委は「地元にも丁寧に説明を繰り返してきた」と答えましたが、近隣の浦安市議会ではこの21日、同校の存続を求める意見書が全会一致で可決されています。まったく理解など得られていません。
県はまずこうした現場の声や実態に耳を傾けるべきです。そのことを正面から突き付けた質問でした。